幻を越えよう

アイドル/ストリップ/Vtuberについてのこと

ひらいて

 

 

HiHi Jetsのことが好きだ。髙橋優斗くんのことが好きだ。

 

敬愛なる大森靖子さんが主題歌を務める映画「ひらいて」が公開された。私は髙橋優斗くんのことを好きになるずっと前から大森靖子さんのことが好きだった。HiHi Jetsのライブに行く前から大森さんのライブには行っていた。髙橋優斗くんのアイドル人生に起こる全てのことで感情を巡らせ、その全てを大森さんの歌詞に重ね、時には大森さんにDMを送っていた。大森さんは私が髙橋優斗くんやHiHi Jetsに関する話をする時はDMを返してくれていたような気がする。

 

作間くんのことはずっと嫌いだった。これは酷い話かもしれないが唯一好感が持てたのは2019年秋頃に活動自粛した時だった。作間くんと私はなんの接点もないただのアイドルとオタクでしかない。ただ私は作間くんと同い年で地元が近かった。なのに私の持っていないものを全て持っていた。完璧なアイドルだなと思っていた。意味がわからないかもしれないが、これは完全なる一方的な憧れと嫉妬である。

 

2019年の大森靖子生誕祭で歌われたVOIDを聞いて泣いたことを思い出した。「リセットボタン押していいよ 逃げるの下手な君特別ルールさ」なんて当時既に活動自粛期間に入っていた作間くんや橋本くんのことを思い浮かべるしかなかった。2021年の大森靖子生誕祭、2年前と同じ場所で、リキッドルームの地下へと進む階段の壁にはひらいてのポスターが貼ってあった。時は進んでいるのだと感じた。そして今年の生誕祭ではVOIDは歌われることはなくて、それもまた時が過ぎてひとつの時代が終わり、また新たな時代が始まったのだと告げられているように感じた。

 

私は大好きだった髙橋優斗くんが関わるお仕事ではなくて本当に嫌いだった作間くんが関わるお仕事に大森靖子さんの曲が使用されると知った時本当に悔しかった。ひらいては、髙橋優斗にできなくて、作間龍斗にできる仕事だと思った。7月28日のことだった。Jrなんてやっぱり個人戦だと思った。その発表があったすぐあとになにわ男子のデビューの発表があり、HiHi Jetsも絶対にデビューして欲しいと思った。

 

ひらいての公開にあたってひらいてに関する作間くんのインタビューを読むことを意識して過ごしていた。作間くんに対する解像度をできるだけ高めた状態で見たかった。どんな気持ちでこの作品に向き合っていたのか、純粋に知りたかった。悔しいが、この映画の主演を務めるのが他でもないHiHi Jetsのアイドルで、作間くんで、本当によかったと思った。作間くんの、あのなんとも言えない「クラスでこの魅力に気がついているのは私しかいないと思わせるような忘れられない男の子」感は昔から凄くあったように思うけれどその魅了が存分に発揮されていた映画だと思った。

 

映画を見ている時、作間くんが嫌いだったことなど忘れてしまうくらい作間くんはしっかり西村たとえだったように感じる。ジャニーズとかジャニーズじゃないとか、映画初主演だとかそうじゃないとか、演技経験が多いとか少ないとか、そんなこと本当にどうでもいいくらい彼はしっかり西村たとえだったのだと思う。

 

映画館に鳴り響く大森靖子の音楽と共に流れるエンドロールの作間龍斗の文字を見た時、鳥肌が立つのを感じた。作間担でもないのにこんなにひらいてに大きな気持ちを持って映画を見たのは私が大森靖子のオタクだったからだろうか。ゆっきゅんのことが好きだったからだろうか。それともHiHi Jets、元い髙橋優斗くんのことが好きだったからだろうか。分からない。

 

HiHi Jetsのメンバーはひらいてを見て何を思うだろうか。作間くんはなにかのインタビューで愛みたいな愛のやり方を痛いと言っていたような気がする。でも愛の痛さは、暴力的な衝動は、迷惑をかけてしまうような青春は、愛にしかできない愛のやり方で、私はとても好きだった。田舎という退屈で狭い世界の中、身近で手軽に人生っぽいことをできる恋愛は、暇つぶしにはちょうどよすぎるし、面白みがある。だが、東京の大学に行ってしまうたとえを追って東京に行けない愛は、その時点で美雪に負けていた。その点美雪は、恋と心で全国に行こうとしていて、よかった。これはただの偏見だが、たとえは蠍座だと思ったし、愛は牡羊座だと思ったし、美雪は魚座だな…と思った。

 

孤独になって人生っぽいことをして何かを狂わせたり壊したりしてみたい、というような衝動性を振りかざし他人を巻き込み他人から何かを奪おうとして傷つけることに対して、それは愚かだよ。と突きつけられ、自分の愚直さと向き合わされるような映画だと思った。とても面白い映画だった。この映画を撮るために映画監督になった首藤さんは本当にすごいなと思った。

 

映画 ひらいて

是非、見てください。映画「ひらいて」公式サイト